キッチンの照明を少し落とし、まな板の上にGLOBAL G-9を置く。刃が光を受けて、静かに輪郭を見せる。OTOKIRI STUDIOの制作でこの包丁を選んでから、もう1年が経った。
手に馴染むまでの時間
GLOBAL G-9の特徴は、なんといってもオールステンレスの一体成型にある。柄と刃が継ぎ目なく繋がっているため、衛生的である一方、最初の数週間は独特の軽さとバランスに戸惑うかもしれない。重心が刃元よりやや手前にあるため、手首を大きく振らずに、指先の角度だけで刃先をコントロールできるようになる。その感覚が掴めたとき、包丁は単なる道具ではなく、手の延長のように感じられた。
切れ味の持続性について
刃角は約15度と薄く、玉ねぎやトマトのような繊細な食材でも、繊維を潰さずにすっと入っていく。毎日の調理・撮影で使い続けても、切れ味の劣化を感じ始めたのは3ヶ月を過ぎた頃だった。家庭用の砥石で軽く研ぐだけで、驚くほど切れ味が戻る点も、長く付き合ううえで安心材料になっている。
手入れのしやすさ
継ぎ目のない構造は、汚れが溜まりにくく、洗い上げた後の乾きも早い。使い終えたらすぐに水気を拭き取り、刃を上向きにせず収納する。それだけの手間で、1年経った今も刃こぼれひとつなく、静かな輝きを保っている。
撮影機材としての一面
映像作品においては、刃の反射が強すぎると画面がチカチカしてしまうことがある。GLOBAL G-9はマットに近い落ち着いた光沢のため、照明の下でも刃の輪郭を美しく見せながら、主張しすぎない。ASMR収録では、刃がまな板に触れる金属的な高音と、木の低い響きのバランスがちょうどよく、スタジオで最も出番の多い一本になっている。
まとめ
GLOBAL G-9は、派手さのない道具である。けれど、毎日の調理と撮影という積み重ねの中でこそ、その完成度の高さがじわじわと伝わってくる。
この道具を使った作品
GLOBAL G-9は、次のFILM・STORYの制作にも登場しています。